Making of 「和次郎の朝鮮半島紀行」
[朝鮮半島に足跡を残した東北人(東北復興応援プロジェクト)]2014年06月01日
朝鮮半島に足跡を残した東北人プロジェクト(その1)
◎題 名:「和次郎の朝鮮半島紀行」
◎企 画:角 俊行(スミ・トシユキ)
◎文 章:火田民平(ヒダ・タミヘイ)
1 旅行期間 1922年(大正11年)9月11日(月)~10月11日
2 主な登場人物
① |
今和次郎 (コン・ワジロウ) |
早稲田大学建築学科教授。34歳。独身。青森県出身。全国の民家を調査。朝鮮半島での調査は初めて |
② |
小田内通敏 (オダウチ・ミツトシ) |
早稲田大学講師。47歳。秋田県出身。朝鮮総督府から委託を受けた朝鮮部落調査の総括責任者 |
③ |
柳宗悦 (ヤナギ・ムネヨシ) |
東洋大学教授。33歳。雑誌「白樺」主宰。朝鮮民族美術館を京城(ソウル)に建設するため精力的に活動中。 |
④ |
浅川巧 (アサカワ・タクミ) |
朝鮮総督府林業試験所職員。試験所業務のかたわら、半島各地の陶磁器の窯元を調査。柳宗悦の右腕として、朝鮮民族美術館の開設準備事務局を努める。山梨県出身。31歳 |
⑤ |
斎藤実 (サイトウ・マコト) |
朝鮮総督。63歳。岩手県出身。14年後、内大臣のときに2.26事件で殺害される。 |
⑥ |
岩井長三郎 (イワイ・チョウザブロウ) |
朝鮮総督府建築課長。朝鮮総督府の新庁舎建設を総括。また、京城府庁舎、高等法院庁舎などを設計。 |
3 その他の登場人物
① |
原敬 (ハラ・タカシ) |
二代前の総理大臣。前年11月に東京駅で刺殺された。享年65歳。岩手県出身 |
② |
後藤新平 (ゴトウ・シンペイ) |
東京市長。65歳。岩手県出身。台湾総督府民政局長、満鉄総裁、内務大臣などを歴任。 |
③ |
水野錬太郎 (ミズノ・レンタロウ) |
この6月から加藤友三郎内閣の内務大臣。朝鮮総督府の前政務総監(総督の次席ポスト)だった。54歳、秋田県出身 |
④ |
阿部充家 (アベ・ミツイエ) |
京城日報社長。60歳。総督の私的情報機関やアドバイザーとしての役割を果たした。 |
⑤ |
守屋栄夫 (モリヤ・エイフ) |
朝鮮総督府庶務部長。37歳。宮城県出身。後に衆議院議員、塩竃市長などを歴任。 |
⑥ |
今村武志 (イマムラ・タケシ) |
朝鮮総督府専売局庶務課長。42歳。宮城県出身。柳宗悦の義兄。後に樺太丁長官、仙台市長などを歴任 |
⑦ |
淵沢能恵 (フチザワ・ノエ) |
淑明女子高等普通学校学監。72歳。岩手県出身。55歳で朝鮮に渡り女子教育のため同学校を設立。斎藤総督の妻、春子は、能恵が東洋女学校で教鞭をとっていたときの教え子。 |
⑧ |
浅川伯教 (アサカワ・ノリタカ) |
浅川巧の兄。巧よりも先に朝鮮に渡り、陶磁器の目利きとして名をなしつつある。38歳 |
⑨ |
赤羽王郎 (アカハネ・オウロウ) |
中央学校教師。36歳。長野白樺派の創立者。長野県の小学校教員だったが、ある事件で懲戒免職。朝鮮半島に渡り、後に帰国。奄美大島などで教鞭をとった。 |
⑩ |
中村與資平 (ナカムラ・ヨシヘイ) |
建築家。42歳。東京駅を設計した辰野金吾の事務所に入り、旧朝鮮銀行本店を設計。京城で独立。旧朝鮮銀行大連支店などを設計した。 |
⑪ |
金性洙 (キム・ソンス) |
中央学校、京城紡績、東亜日報の創業者。31歳。第二次世界大戦後の李承晩政権において副大統領となるが、後に辞任。子孫は、現在、東亜日報グループを率いている。 |
⑫ |
宋鎭禹 (ソン・ジヌ) |
東亜日報社長。33歳。金性洙の幼なじみで盟友。第二次世界大戦後、朝鮮半島の統治をめぐる激動の中、暗殺された。 |
⑬ |
朴泳孝 (パク・ヨンヒョ) |
京城紡績社長。東亜日報の前社長。60歳。閔氏政権下、金玉均らとクーデターを企て、日本に亡命。日韓併合後、侯爵となる。 |
⑭ |
朴承稷 (パク・スンジク) |
綿製品等を取り扱う商店などを経営。伊藤博文の支援を得て、自ら成長するだけでなく、朝鮮資本の育成にも尽力。子孫は、現在の斗山グループを率いている。 |
⑮ |
有賀光豊 (アルガ・ミツトヨ) |
朝鮮殖産銀行頭取。2年前に前任者の急死を受けて、急きょ就任。当時、朝鮮の人を平等に扱い、朝鮮実業界の生みの親とも評されていた。 |
⑯ |
丸山鶴吉 (マルヤマ・ツルキチ) |
朝鮮総督府警務局長。警察畑の内務官僚でありながら、朝鮮人を理解し、その登用にも理解を示したとされる。 |
⑰ |
三輪和三郎 (ミワ・カズサブロウ) |
鍾路警察署警部などを歴任。多数の「不逞鮮人」を検挙したと言われる朝鮮特別高等警察の伝説的人物。 |
⑱ |
三・一運動の関係者 |
三・一運動は、1919年3月1日、京城のタプコル公園を起点とし全国に波及した示威運動。反乱罪(重罪)に処断されるのか。高等法院の特別チームが下した結論とは。運動に参画した崔麟(チェ・リン)、崔南善(チェ・ナムソン)などは、どうなっていた? |
⑲ |
高敞の金一族 |
全羅北道の高敞(コチャン)発祥の大規模な米作経営を行う一族。金性洙の義父である祺中(ギジュン)、実父の暻中(ギョンジュン)などの援助もあり、性洙と弟の秊洙(ヨンス)は出世街道を歩む。金秊洙の子孫は、現在の三養グループを率いている。 |